過去ログ

M.Hossie
 こんばんにゃ。この前の日曜日にお台場に行きました。宇宙飛行士の毛利さんが館長をやっている「科学未来博物館」を覗いて、ついでにフジテレビに寄って帰って来ました。「科学未来博物館」の展示で思ったのですが、まあぼくらのような業界人にとっては面白くて、毛利さんの意欲は買うんですけど、いくら何でも小学生や一般人相手に「量子化されたスピン」とか (「量子化」のかわりに、「エネルギーが不連続」だって書いてもまだまだ理解するのは難しいですね)、「e^2/h」とか (おいおい、数式は禁じ手やで)、「p 型は正孔」(LED の説明のところに書かれてた) ってのはきっついわ。理科系の大学初年級の物理の知識が暗黙のうちに前提とされてて、これじゃあ、お子さまや一般庶民が理科嫌いになっちゃうよ!

 夏休み前ということでしょうか、今回は手計算でも 5 分くらいあれば誰でも解ける問題で易しかったことでしょう。一応、数学的に考察して答えを出しましたので、以下に紹介させて頂きます。これでも 10 分掛かりません。

 「ふえーる君」の n 分後の台数を A(n) 台、「ネオふえーる君」の n 分後の台数を B(n) 台としましょう。
 問題の文章より、A(n), B(n) に関する連立漸化式を作ると、
 A(n +1) = 2 { A(n) - B(n)}
 B(n +1) = 2 B(n)
 但し、初期条件 A(3) = 8, B(3) = 1 のもとで解く。

 B(n) の一般項に関しては、これは2倍づつになっていく Geometrical Progression なので簡単に解けて、B(n) = 2^(n-3) (n は 3 以上の自然数)
 これを A(n) の式にほりこんで、
 A(n +1) = 2 A(n) - 2^(n-2)
 このタイプの漸化式は、『サクシード数学 A 』(数研出版) に有りがちなのですが、両辺を 2^(n-2) で割るのですね。これは受験生の必須アイテムの1つです。
 A(n +1)/2^(n-2) = A(n)/2^(n-3) - 1
 よーく見たら、A(n)/2^(n-3) を C(n) っておけばいいかなあと誰でも気付く。A(n +1)/2^(n-2) は、suffix がちょうど1つずれているので C(n +1) になりますな。
 てな訳で、C(n +1) = C(n) -1 但し、C(3) = A(3) = 8
 おお、これは1づつ減っていく超簡単な Arithmetrical Progression なので、
 C(n) = 11 - n
 と一般項が求まる。あとはこれを 2^(n-3) 倍すれば A(n) になるので、
 A(n) = (11 -n)* 2^(n-3)

 A(n) をじーっと見れば、11 分後にふえーる君が絶滅することが分かる。その絶滅した個数が求めるものであるが、1個のネオふえーる君が1個のふえーる君を食べちゃうのだから、3 分から10 分までに出現したネオふえーる君の台数の総和が、食べられたふえーる君の台数の総和に等しい。

 よって、求めるべきは、
 n = 3 から n = 10 までの B(n) の Summation で、
 1 + 2 + 2^2 + ・・・+ 2^7 = 2^8 - 1 (級数の和の公式)
 = 255 個 ..... Final Answer。

 話は戻るのですが、バブルが弾けて経済が既に破綻し、どう考えても科学技術の研究を支える基盤が先細りにならざるを得ないこの国では、圧倒的大多数を占める非理系の人たちに科学技術の重要性を数式など用いずに易しく説明して (うまく「ダマくらかして」と言った方が正しいかも)、皆様がお金 (今のところは税金、つまり国お抱えのシステムなんですが、将来的には1つの研究プロジェクトが1つの民間の株式会社のような形態を取ることになるでしょう) を喜んで供出して頂けるようなプレゼンテーション能力がこれからこの業界の必須アイテムになることでしょう。ぼくも自分のプレゼンテーション能力を一層磨いて頑張ろうと決意を新たにしたことであるよ。
黄色い電車の走る近所   8月9日(木) 18:05:57     13881

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